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Facebook、Quoraのユーザー獲得チームの秘密 まとめ 心構え編

本記事はFacebook Quoraユーザ獲得チームの秘密というセミナーのまとめ、続編です

前回はOpen Network Labというセミナーの具体的施策を重点的にまとめさせて頂きました。今回は、施策ではなく日々の心構えについて書きたいと思います。

ユーザ獲得に必要な心構えは「量」「最重要」「ときどきクレイジー」ということ

「量をこなす」「最重要なことをやる」、「でもたまにはクレイジー」を「繰り返す」ということだと言っていました。
一言で言うと「最重要なことを最速で」ということでしょうか。

量をこなせば勘が養われる。

 10個のうち、2-3個しか成功しないこともある。失敗も成功も勘を養う上で重要である。
 実際彼に見せてもらったチャートは、3ヶ月以上低空飛行を続けてその後徐々にユーザを獲得していったというチャートでした。
 最初は流出が止まらないかもしれませんが、とにかく粘り強くやっていこう。
 そのために、スピードが大事。
 スピードをつけるには、インパクトの次に重要なのが工数が低いものですぐに確かめられるもの、という施策をとることもある。

最重要なこととKPIの関係

 何が最重要なことか?を見極めることが大事という基本的なことを強調していました。
 例えば、最もトラフィック数のあるところから改善を行う、施策の中でも最も総アクティブユーザ数に結びつく事をやるということ。

 ここで重要なのがKPIの設定。
 facebookでは一人あたりのフレンド数を増やす事が総アクティブユーザ数につながるということを発見したようです。
 だから、そのような仕掛けがfacebook上ではてんこもりになっている。

 インパクトが大きいというのは、KPIのインパクトと僕は考えます。

でも、たまにはクレイジーに

 上記のようにロジカルに、最小限の労力で最大限の成果をというだけではなく、クレイジーな手法も20%入れるようにしている、とのことでした。
 Facebookで行ったロシアでの実験、
 「ロシア人の姓名を1000万個アップして、友人を検索してきた人の検索流入を増やす」というもの。
 人の名前をネットに勝手にアップする、というのは大半の国で倫理的に問題があるようだったので、普通にクレイジーですよね。
 しかし、数千万人のユーザを集める大ヒットの施策だったようです。
 

僕自身彼がなぜ、この手法にいきついたのか?を考えてみた

 彼流の施策選択の方法としては、「賢い人を集めてMTGする」というものでした。
 MTGの中では数百のアイデアが出て、「インパクトが高い、工数が現実的」なものを選ぶことで収束させるようです。

 意外に何が有用かは勘で出し合い、決めるときはロジカルに、といった印象です。
 
 僕の見解としては、彼自身データのアプローチを好むのも一度アイデアだけ出過ぎて収集が突かない状況におちいったのではないでしょうか。
 だから、データを武器・盾にして最重要なものを順位付けするという暗黙のルールを作ることで、チームの収拾がつく、
 というアプローチをとっているように思えます。

参考になるまとめ様

■イベント本家のページ
http://onlabandrewjohns.peatix.com/
■ほかのまとめ様の方々
https://twitter.com/#!/search/%23on_lab
http://blog.takejune.com/archives/52288735.html

「Facebook、Quoraのユーザー獲得チームの秘密」 施策編

Facebook→Twitter→Quoraと渡ったユーザ獲得プロフェッショナルのセミナー

本日(7月26日)に恵比寿のデジタルガレージビルでOpenNetworkLabという組織が主催するセミナーに参加しました。
講師のプロフィール(本家様から情報を抜粋しております。)
≪Andrew Johns氏プロフィール≫
Quora Product Manager – User Growth Team

ユーザの登録数を増やすノウハウだけでなく、サービス全体の向上のノウハウが聞けて本当に楽しかった。
しかも、この手のノウハウは考え方は流通しているが実際の事例が少ない分野。
以下のまとめで皆様に少しでも伝われば幸いです。

ユーザ獲得のキーポイントは、4つの要素からなる総アクティベーションユーザ数

彼は2007年からFacebookでユーザ獲得チームをしてきたが、本場のシリコンバレーでも自分のような職種の人は多くない。
しかし、10年後にはどの企業にも必要になるだろうと予測しているが自分もそう思う。

彼のようなノウハウを持っている人が5年のノウハウを一部でも紹介してくれるのは有り難い!
さて、ユーザ獲得チームがウォッチする数字は、「総アクティブユーザの増える速度」である。
アクティブユーザを増やすには、アクティブユーザ数を構成する4つの要素をハックせよ、とのこと。
具体的に言うと、

 ・登録者を増やす
 ・Churn Rate(あんまり利用していない人)を減らす
 ・リアクティベーションを増やす
・Deactivation(退会)を減らす

である。

※参考までに、こちらのブログ様に構成要素の方程式が掲載されています。

上記の方程式を実現するためには、どうすればいいか?
具体的な施策をここからは紹介していく。

登録者を増やすには、チャネル・ランディングページの最適化

チャネルについてはあまり触れられていなかったが、ランディングしたページをTwitterの例で説明してくれた。
ランディングページに到着した人がログインした人の割合は、以下のように推移した。

・3年前   :15%
・1.5年前  :25%
・最近   :31%

このような改善が得られた施策は、「TOPページに無駄な要素を排除したこと」だと言っていた。
3年前のTwitterの様子がスライドに出ていたが、Twitterの検索ボックスやセレブのアバターなどが表示されていた。
非常ににぎやかでサイトが今よりも流行っているように見えなくもない。
しかし、これが今のページよりも優れていない。

何が悪いか?

にぎやかだが他のページに飛んでいってしまって戻ってこないという現象が起こるのがまずい。
だからログイン前TOPページのコンテンツを極力減らしていく事で、ログイン率31%になったというわけだ。

NiceHack!と僕自身は心の中で思った。
工数を減らしてログイン率を上げられるなんて、すごハックだと思う。

Facebookの「○○さんも使ってます」は20%程度登録率を向上する

これはJust do itだと思う。

流通チャネルによってログイン手段を切り分ける

流通チャネルによって提供するログイン手段を切り分けるにも面白いハックだと思う。

Twitterから流入しているユーザはTwitterのアカウントを持っている、または既にログインしている可能性が高い。
なので、ユーザにとって心理的ハードルが一番低いのは流通チャネルに合わせた登録手段を提供することで登録率、ログイン率は向上するとのこと。
ここは具体的な数字が聞き取れませんでした。。。

最適化の設計図が良さそう

個人的に面白いな、と思ったのはちゃんと最適化の設計図があったこと。
チャネル→ランディングページ→登録→・・・・・というユーザ誘導のサイトマップがあり、どこを最適化していこうかという最適化フローチャートがあった。これは新しく入った人にもすっと共有しやすい。

とりあえず今日はここまで細かい施策を紹介させて頂いた。
次では施策を生み出すためのノウハウだったり、考え方や心構えの部分をまとめさせて頂きます。

続編、Facebook、Quoraのユーザー獲得チームの秘密 まとめ 心構え編も書きました。

参考になるまとめ様

■イベント本家のページ
http://onlabandrewjohns.peatix.com/
■ほかのまとめ様の方々
https://twitter.com/#!/search/%23on_lab
http://blog.takejune.com/archives/52288735.html

アスクルがヒットした理由は価値の設計にあったと思う カンブリア宮殿より 

2012年7月19日、カンブリア宮殿の「アスクル創業話」を見ました。
小池栄子と村上龍が出ている番組です。

マーケットの穴を見抜く目と、障壁に立ち向かっていく実行力に感動したため、
僕が感じたアスクルのヒットした理由を簡潔にまとめさせて頂きました。
例えるなら、高校の頃に習ったニュートンの方程式のようです。
F=ma

アスクルとは?

アスクルは法人向けのカタログ通販会社です。
文房具やバインダー、電卓に消臭剤などオフィスに必要な物をカタログから選んで注文するだけで、当日あるいは翌日に届きます。
創業時のアスクルはプラス株式会社という数百億円売り上げていた文房具メーカーで、文房具屋におろしていました。

何が革新的なのか?

僕の中で革新的だと思った点は顧客の選択が一番革新的だったと思いました。

なぜ、中小企業を選ぶ事が革新的なのか?

中小企業を選ぶと、手間がかかって仕方がないというのがBtoBの常識だったりします。
だから、当時のマーケットは以下のようになっていました。

・大企業の法人
 大量な発注ができる大企業は卸から「安い価格で、出かけなくても届ける」というサービスレベルでした。

・個人
 家できれたら町の文房具屋で買ってました。

・中小企業
 発注量がそこまででもない中小企業は個人と同じように、「定価で、女性が在庫のある店を探し歩いて」買ってました。

中小企業、大変ですよね。
ここで岩田社長が目を付けたのが、中小企業が大企業と同じように「安い価格で出かけなくてもオンデマンドで買える」を実現すれば、
中小企業の人達が買ってくれるのではないかと。

(実は現代でもIT産業もこういう構造になってます。
 某メーカーさんは○億以下は子会社、○千万以下は話を聞きもしない。)

待ち受けていた障壁

ここまでは考えついた人は多いと思うのですが、行動に移した岩田社長は本当にすごい。

従来のお客様からの圧力

メーカーから小売りへ立場が変わった事により、文房具店と競合する。
数百億売上を上げていた従来のお客様からクレームが来るのは必至だったと思ってます。

社内からの圧力

小売りはメーカーにこだわらず、お客様がほしがる売れ筋をそろえる必要があります。
当時競合だったコクヨの商品を取り揃えることで、普段コクヨと場所取り合戦を強いられている営業マンからクレームが来るというのも、
これも必至だったと思います。
さらに、今まで扱ってくれてた文房具店も扱わなくなった店もあるでしょうから、さらなりという感じです。

配送網の整備

文房具がすぐ切れたときにでも届けられるよう、オンデマンドに届けることが理想だと思ってます。
当時、通販のノウハウも少ないところから翌日配送をするのはとても大変だったと思います。

まとめ

・大企業の人は厚遇を受けていたが、中小企業の人はそうでもなかったため、ここにマーケットの空白があった。
・しかも、中小企業は全体の95%で見捨てられた割にはでかいマーケットであった。

美しいすぎる。
ボリュームと空白が一致するのはそうそうないですよね。

おまけ

マーケットの空白と番組では紹介されていましたが、ITの起業家を集めたFounders at workにも同じような内容が載っていたので、のせさせて頂きます。

「優れたテクノロジーを組み立てて、それがどちらに向かっていくか様子を見る」というスタンスを私はとったことはありません。
テクノロジーは多かれ少なかれ市場にぽっかり空いている穴、もっと正確に言えば将来の市場に開いている穴が何かを直感的につかむところから(アイデアは)生まれます。

by レイ・オジー
(LotusNotesの開発者。microsoft のビルゲイツの跡を継いだ主席ソフトウェア設計者となる。)

最後に

本当に美しい、顧客への価値設計ですよね。
頭の良さだけではなく、困っている人がいたらそのためにがんばる、マーケットの穴を見つけてそこに身を投じる社長の姿勢にも感動。
今日、僕は「星野さんはくだらないことが好きなとこがいい」と言われましたが、僕も自分のそういうところが気に入ってます。

僕が信じているマーケットの空白を埋めるには、この機能の精度がなくちゃダメなんだ、
アスクルだったら明日じゃなくて三日後でもいいじゃない?競合いないからなんて思ってはダメなんだ、
なんて勝手に思ってます。

カンブリア宮殿、今日は本当によかった!